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3,000万円の特別控除と軽減税率 2009年09月30日

家を購入・売却したり、または、リフォームしたりすると何かと気になるのが税金です。
特に、自宅(土地と家屋)の売却ともなると金額も中途半端な額ではなく、一定の要件を満たさなければ、税務上の恩典が受けられないといった「税金の落とし穴」に陥ってしまうこともあります。

(1)3,000万円の特別控除
通常、自宅を一定の親族以外の者に売却すれば、その自宅の所有期間にかかわらず、「譲渡収入」から「取得費」を控除した「譲渡益」からさらに3,000万円の特別控除の適用が受けられます。
計算例で示せば次の通りです。
①譲渡収入(売却代金)1億円
②取得費5,000万円であれば
③譲渡益は①-②で5,000万円です。
この譲渡益5,000万円から特別控除3,000万円を控除した金額2,000万円が所得税及び住民税の課税対象金額になります。

(2)申告分離課税と軽減税率の適用
確定申告は、分離課税で税率20%(所得税15%、住民税5%)ですが、同じ自宅の売却でも所有期間が10年超の場合は、税率は譲渡益6,000万円以下の部分14%(所得税10%、住民税4%)、6,000万円を超える部分は20%(所得税15%、住民税5%)です。
10年超の長期保有の自宅であれば、上記計算例の譲渡益(特別控除後)2,000万円のケースでは、税額は280万円(所得税200万円、住民税80万円)です。

(3)留守3年で不適用
本人が自宅に住んでいない、又は住むことを予定していない自宅の売却の場合は、税法上の「居住用財産」には該当しませんので、3,000万円の特別控除及び軽減税率の恩典は享受できません。
特に、高齢者の方が自宅を離れ介護施設等に入居する場合、施設によって生活の拠点が移ったと判断されることから、終身利用権などを購入して介護付有料老人ホームに入居、その後、一定期間経過後に自宅を売却するに至った場合などは注意が必要です。
税法では、居住の用に供さなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却したときは、3,000万円控除の恩典が受けられますし、また、所有期間が10年超であれば軽減税率の適用も受けられます。

 




賃金計算時の端数処理 2009年09月29日

賃金、労働時間、社会保険料の端数計算は?
賃金計算に生じる端数には、残業時間や遅刻・早退等労働時間に関する端数と、賃金に関する端数、社会保険料控除に関する端数があります。
最近は給与計算ソフトで自動計算というところも多いでしょうから、端数に関して意識する事も少ないのでしょうが、パソコンを使って計算をする時にも専用ソフトを使わずにする場合は端数処理について知っておくと良いでしょう。

端数処理方法、それぞれの場合
①1時間当りの賃金額及び割増賃金額又は1ヵ月における割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた時は50銭未満の端数は切捨て、50銭以上は切上げて処理をします。
1ヵ月の賃金支払額に100円未満の端数を生じた時は50円未満の端数は切捨て、50円以上は100円に切上げて処理する事や、1ヵ月の支払額に1,000円未満の端数がある時に、翌月の賃金支払日に繰越して払う事は、就業規則に規定があれば可能です。
②労働時間の端数処理は、1ヵ月における時間外労働時間の合計に1時間未満の端数がある時は、30分未満は切捨てそれ以上を1時間に切上げることは認められています。但、日々30分を切捨てる事はできません。
③遅刻、早退に対する賃金カットは1回に30分未満の時、30分とみなしてカットする事は、就業規則に制裁として規定があれば可能です。但、1日の減給は平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えない事となっています。
④社会保険料(健保、厚年、雇用保険)の被保険者負担分に1円未満の端数がある時は、50銭以下の場合は切捨て、50銭を超える時は1円に切上げて計算します。但、事業主と特約がある時はそれに従います。
⑤賞与に係る保険料のうち、健保、厚年については、賞与額から1,000円未満の端数を切捨てた額に保険料率を乗じます。(但、健保年間540万円、厚年150万円の上限が有ります。)




地主・借地人・借家人 2009年09月28日

借地上の借家人の権利の不安定
借地上の建物の借家人は、大家さんである借地人の地代滞納などのため、借地契約解除という場合に遭遇すると、建物賃借人としての権利が保護されないので、地主さんから即刻明渡し請求されることになりかねません。

不動産評価でも同じ
この借家人の権利が地主の権利に及んでいないということは財産評価でも確認できます。
自用地価格の評価   100%
借地権割合      60%
借家権割合      30%
とした場合、

これが借地だったら
借地人権利価格    60%
地主の権利価格    40%

これが貸家用土地だったら
借家人の権利価格   18%
大家の権利価格    82%

これが借地上の貸家だったら
地主の権利価格    40%
借家人の権利価格   18%
借地人大家の権利価格 42%
と一般に評価されます。

これを分析すると
地代収受権・担保設定権をもつ地主の権利価格は常に土地時価の40%で、家とその敷地を利用する借家人の権利価格は常に土地時価の18%(60%×30%)です。
土地の利用者としての借地人の権利価格<借地権価格>は60%ですが、借地人が土地利用形態を自用から貸家にすると土地利用権は家賃収受権と建物敷地利用権(60%=42%+18%)とに分化してしまいます。

地主の権利価格は不変
借家人の敷地利用権18%による侵食は、
地主  18%×40%= 7.2%
借地人 18%×60%=10.8%
というように地主も借地人もその影響をうけてもよさそうですが、影響を受けるのは大家である借地人の権利価格だけです。
借地上の建物賃借権により生ずる借家人の敷地利用権は借地人に対しては及ぶものの土地所有者の地主には及んでいないので、それが評価の計算式に反映していると言うことです。




借地契約の地代不払による解除とテナントへの影響 2009年09月25日

地主からの突然の明渡請求
店舗として建物を賃借していたところ、その敷地の地主から、突然、「建物所有者(借地人)が地代を支払わなかったので借地契約を解除する、よって店舗を明け渡せ」という通知が来たとします。
この場合、建物の借主は、家賃を支払う等契約に違反していないとしても、建物所有者の事情で明け渡しに応じなければならないのでしょうか。

地主の明渡請求は拒否できない
この問いに対する答えは、残念ながらその通りといわざるを得ません。
借地上の建物を賃借している場合、借地契約が賃料の不払のために解除されたときは、建物の借主は土地の所有者には対抗できません。

土地の所有権と建物の賃借権の性質
この結論は、土地の所有権と建物の賃借権の権利の強さの違いが原因です。
所有権は、民法上物権の典型とされ、地主は借地人であろうと誰であろうと、自分が自由に使用収益する権利を持っていることを主張できます。
これに対し、賃借権は、民法上債権の一つとされ、所有権のような物権と異なり、賃貸借契約の当事者間でのみ効力を生じます。
そのため、借家人がいくら建物の賃借権を主張しても、借家契約に対して第三者である地主には建物の使用収益権を主張できません。
よって、借地契約が解除された場合は、地主は、建物所有者である借地人だけでなく、借家人に対しても建物の収去と土地の明渡しを請求できます。
その結果、借家人の建物の賃借権も、借地権の消滅とともにその存立の基礎を失い消滅します。いわば、「親亀こければ子亀もこける」というところです。

その予防策とは? 
予防策としては、土地と建物の所有者が同じかどうかを登記簿で確認し、もし別々であれば、建物所有者の経済的状況の把握に努めるしかありません。
そして、建物賃貸人が行方不明になり、あるいは、経済的状況が悪くなった場合には、地主に地代の支払状況を確かめ、不払いの際には自ら代払いすることを申し出る等の対策が必要になります。






給与所得者とは? 2009年09月24日

給与収入を生む役務提供契約
役務提供契約としては雇用・請負・委任・寄託などが民法上の類型とされています。
この中で、まず給与所得とされるのは、雇用契約による対価の収入です。
そして、企業の役員が会社と締結する委任契約により受け取る役員報酬も給与所得です。
同じ委任契約でも弁護士や税理士が結ぶ企業との顧問契約による報酬は事業所得です。

給与となりそうで給与でないもの
給与所得とそれ以外の所得との相違は特定の相手に専属して役務の提供をすることにありそうです。
しかし、プロスポーツ選手、外交員、集金人、ホステス等については一定の専属する役務提供先から受ける報酬であったとしても給与所得ではなく事業所得となります。

こんな人たちも給与所得
プロスポーツ選手などが提供する役務には「労務の従属性」が希薄だということなのかもしれません。
そうだとすると、議会の議員や諮問委員会などの委員あるいは学校医などには従属性などありえないのですが、その受ける報酬は給与所得とされます。
総理大臣の受ける報酬も給与所得です。

構成メンバーとして
従属的にではなく、組織の活動を内部的に支えるための役務の提供をしている会社の役員の場合の延長で、議員や委員の報酬の給与所得性は考えるべきなのでしょう。
組織について管理する側から組織の構成メンバーとして役務の提供をするときの対価は給与所得となるということでしょう。
それに対して、国や自治体や所属会から受ける、弁護士の法律相談や税理士の税務相談の報酬は構成メンバーとしての固有の活動ではなく、外部委任契約なので事業所得となります。
なお、学校医報酬の給与所得扱いだけは医師への特例なのか、説明が困難です。

雇用契約でも事業又は雑所得?
またこれらとは逆に、雇用契約の場合でも、テレワーカーや在宅勤務での役務の提供ということになると、場所的時間的拘束性からの解放とか労働代替性の可能性とか労働設備の自前化とかとなり、必ずしも無条件に給与所得者となるとは限らないようです。




改正パートタイム労働法 2009年09月18日

改正パートタイム労働法

4人に1人がパートタイム労働者近年、働き方が多様化する中でパートタイム労働者が雇用者に占める割合は06年度厚労省調査で25.6%であり、単純業務だけでなくその役割の重要性も増しています。
4 月に改正された「パートタイム労働法」では雇用管理の改善等によりパートタイム労働者の能力を一層有効に発揮することができる雇用環境の整備を目的としています。

パートタイム労働者とは?
アルバイト、契約社員、準社員、臨時社員等会社により呼び方は異なっても一週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用される通常の労働者(正社員)と比べて短ければパートタイム労働法の対象者となります。
チェックしておきたいポイント今回の改正で義務化されたもののうち、①と②の二つを紹介します。

①労働条件の文書交付等
雇入れの際に労働条件を文書で明示することが義務付けられました。
もともと、労働基準法では雇入れの際に労働条件の明示を義務付けていますが、今回の改正では今までの明示内容に加え
●昇給の有無
●退職手当の有無
●賞与の有無
の3 項目も合わせて明示することとされました。
パートタイム労働者が希望した場合には、電子メールやFAX による明示も可能です。

②待遇決定についての説明義務
事業主はパートタイム労働者から求められた時は、待遇を決定するにあたり考慮した事項を説明することが求められます。

説明を要する事項とは
●労働条件の文書交付等
●就業規則の作成手続
●賃金の決定方法
●教育訓練
●福利厚生施設
●通常の労働者への転換措置等

とされています。
これらは、最終的に労働者が納得するまでの説明を求めているものではなく、合理的な理由等の説明が行われれば足りるとされていますが、誠意ある対応が求められるところでしょう。




現物配当と損益の認識 2009年09月17日

旧商法時代、会社が現物での配当(現物配当)ができるかどうか、議論が分かれていました。
しかし、会社法においては、株主総会の特別決議を経ることにより、現物配当ができるようになりました。
配当財産について制限はありませんが、配当を行なう株式会社の株式、新株予約権、社債は配当財産として交付することはできません。

(1)会計基準と現物配当
一方、会計基準でも、会社法の規定を受け、現物配当を行う場合は、原則として配当財産を時価で評価し、帳簿価額との差額は、配当の効力発生日に属する期の損益として認識し、配当財産の時価でその他利益剰余金又はその他資本剰余金を減額することと定めました。

具体的に会計処理で示せば次の通りです。
設例、甲社は、定時株主総会で配当原資を繰越利益剰余金とし、有価証券(帳簿価額500万円、時価600万円)を株主に現物配当しました(源泉徴収は無視する)。

①株主総会の決議日(単位:万円)
繰越利益剰余金600/未払配当金600
②配当財産の分配時(効力発生日)
未払配当金600/有価証券500
           譲渡益 100

(2)法人課税と現物配当
現物配当に関しては、法人税法上特段の措置を設けていませんが、次のような理由から、現物配当を行った法人は、当該資産の含み損益を認識し、配当を実施した日の事業年度の課税所得の損金または益金を構成するとする考えが支配的のようです。

①金銭以外の資産を剰余金の配当として交付する場合は、交付会社にあっては、法令に当該資産の価額を利益積立金額から減算すると規定されている。
②一方、現物配当を受領した株主においては、当該剰余金の効力発生日における当該資産の価額を受取配当の額として認識する旨が法令解釈通達で示されている。
③現物交付の段階で含み損益を認識しないと永久に課税の機会を失ってしまう。

しかし、現物配当は、法人が行う「利益」または「剰余金の分配」で資本等取引であり、さらに、明文規定がない以上、損益を認識するとする見解には疑問が残ります。
また、消費税法における課税資産の譲渡等に該当するかどうか検討の余地もありそうです。
資本取引と損益取引の両方を併せ持った「混合取引」の存在を認識することになるのでしょうか。




新政権でどうなる? 年金制度 2009年09月16日

新政権で変わるか、公的年金制度
総選挙で政権交代した民主党政権は、年金制度の抜本的改革を進めようとしています。
マニフェストによると年金制度の信頼を回復し、わかりやすい年金制度をつくるとして、納めた保険料に応じて年金額が決まる「所得比例年金」をベースに、低所得の人には消費税を財源に満額で月7万円の「最低保障年金」を支給するという案を提唱しています。

改革案と現行制度の違い
現行の年金制度は国民年金が土台にあり、その上に厚生年金、共済年金が別々に存在し、国民年金は定額保険料ですが厚生年金や共済年金は所得比例の保険料を納めています。
財源は保険料だけでなく、国庫負担(税金)でも賄われています。
給付は現行では保険料を40年払えば基礎年金は満額で月6万6千円ですが、受給権を得るには原則25年以上の加入期間を必要とします。
民主党案では、国民・厚生・共済を一元化し、消費税を財源とした「最低保障年金」を創設、すべての人が月7万円以上の年金を受け取れるようにする。
さらに、納付した保険料に連動した「所得比例年金」を上乗せするとしています。
ただし、所得比例年金を一定額以上受け取れる人は、最低保障年金を減額することとしています。

問題解決には長期間必要
さらに制度移行には、保険料を納めてきた人と、そうでない人達に不公平のないよう設計する必要があるため、全員に月7万円が実現するのは、20年から40年先になると言われています。
未だ最低保障年金の対象範囲や所得比例年金の水準等、又、財源の裏付けとなる消費税の引上げ時期や自営業者の所得捕捉の為社会保険庁と国税庁を統合した「歳入庁」の創設等も掲げられていて現段階では不明な点が多々あります。
民主党は2013年までに制度の詳細を詰めるとしています。
当面の2年間は「消えた年金」問題解決に集中的に取り組むとしていますが、政権がどのように移ろうと、年金制度は長期的ビジョンの下に行わなければならないものでしょうから、信頼できる制度が望まれます。




トライアル雇用で適性見極め 2009年09月15日

試行雇用奨励金(トライアル雇用奨励金)
職業経験、技能、知識等から就職が困難な特定の求職者(対象者)を職安の紹介により一定期間トライアル雇用し、求人者と求職者の相互理解を促進する事で雇用機会の創出を図る事を目的とした助成金です。
トライアル雇用を終了しても正規雇用を強制されるという事はありません。
企業は適性や業務遂行可能性等を実際に見極めた上で本採用するかどうかを決める事ができます。
短期間(原則3ヶ月ですが、1ヶ月や2ヶ月でも可)雇用後に一人につき、月額4万円が最大3ヶ月間支給されます。
対象者は
○45歳以上の中高年齢者
○40歳未満の若年者等
○母子家庭の母等
○季節労働者
○障害者
○日雇労働者
○住所喪失不安定就労者
○ホームレス
○中国残留邦人永住帰国者等
となっています。

事業主は求人票を職安に提出し、紹介された対象者のトライアル雇用開始から2週間以内に「トライアル雇用実施計画書」を提出します。
また、終了後から1ヶ月以内に「トライアル雇用結果報告書兼試行雇用奨励金支給申請書」を提出します。

「若年者等正規雇用化特別奨励金」
(トライアル雇用活用型)
職安の紹介により、雇用開始日現在の満年齢が25歳以上40歳未満の者をトライアル雇用し、その後正規雇用した場合に支給される助成金です。
トライアル雇用開始日の前日から起算して過去1年間に雇用保険の被保険者でなかった者を、トライアル雇用後引き続き6カ月以上正規雇用した時に支給されます。
支給額は雇用期間の定めのない雇用を開始した日から起算して6カ月を第一期、1年6カ月の日までを第二期、2年6カ月までを第三期とし、中小企業の場合、第一期は50万円、第二期が25万円、第3期が25万円支給されます。
各々の対象期間の末日の翌日から起算して1カ月以内に支給申請を提出します。
この助成金は平成24年3月までの暫定措置とされています。




雇用契約と給与所得者 2009年09月14日

雇用契約でも給与所得にならない?
雇用契約の場合は無条件に給与所得のように思えますが、例外現象がうまれつつあります。
日雇労働やマネキン労働などは、専属先が日々異なることがあっても、労働の時間的空間的拘束性のゆえに給与所得者に仕分けされています。
しかし、テレワーカーや在宅勤務形態での役務の提供ということになると、それが雇用契約に基づくものであったとしても給与所得と言えるか疑問にさらされています。

労働法制・社会保険で先行
税よりも、労働法制や社会保険のほうで問題意識が先行しています。
労働基準法や労働組合法での労働者の概念は給料により生活するものということでしたが、それだけでなく
指揮監督下にあるか
時間的拘束を受けているか
労働代替性が排除されているか
賃金労務対償性があるか
機械・器具が会社より無償貸与となっているか
専属性の程度
などを総合判断し、状況により社会保険・労働保険の被保険者になれない場合があるとされています。

税は準拠だが
労働法制や社会保険のほうで労働者でないとされたならばその報酬は給与ではなく事業又は雑所得になると思われます。
なお、給与所得になる場合でも、テレワーカーや在宅勤務者にはインターネットやFAX等の利用料金、電気代、さらには家賃の一部を会社が負担しているケースもあるようで、これら会社負担が現物給与であるか否か、課税給与とされるか否か、社会保険の月額報酬に含まれるか否かについての扱いは必ずしも確定的ではありません。

課税関係情報もまだ不定
研究費補助等の名目で教授等に年額又は月額により支給されるものでも、その費途を明確にし、購入物品の所有権を大学に帰属するものとすれば課税されません。
在宅勤務者についても同じく、自宅兼事務所を所有している事業者の家事関連費の考え方と同様に、「様々な明細書等をもとに業務に相当する費用であると証明できる場合には会社負担金を課税給与と取扱わなくてもよい」との情報があります。
逆に、課税外になるのは現物支給に限られ、金銭支給は課税との情報もあります。




残業時間、切り捨て?切り上げ? 2009年09月11日

時間未満の残業時間がある場合、企業によって、すべて切り捨て処理したり、30分単位で端数は切り捨て、など様々な対応をされているのではないでしょうか?
労働基準法24条に、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と規定されています。
したがって、1分でも切り捨ててはならない、ということになってしまいますが、それでは事務が煩雑になるだけです。

実は、端数処理の方法については、通達で細かく定められています。
1時間未満の残業時間
1か月における時間外労働、休日労働および深夜業のそれぞれの実際の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げて計算することができます。
したがって、1日毎に30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げて、その時間数を合計する処理は違法となりますので、注意が必要になります。

賃金の端数処理
(1)1時間当たりの賃金額の端数処理
1時間当たりの賃金額および割り増し賃金額に1円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げることができます。
また、1か月における時間外労働、休日労働、深夜業のそれぞれの割り増し賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合も同様です。
(2)1か月の支払額の端数処理
1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合は控除した金額)に100円未満の端数が生じた場合は、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払うことができます。
(3)千円未満の端数の繰越処理
1か月の賃金支払額に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことができます。
 




妻の年金加入記録漏れ問題 2009年09月10日

平成8年12月以前に旧姓で年金加入の方
消えた年金記録、いわゆる持ち主不明であった「5,000万件」のうち、「500万件」を超える件数が婚姻等により、氏名を変更した方々の記録であるといわれています。
女性の場合、多くは婚姻時に姓を変えており、婚姻前に旧姓で勤務していた期間が年金記録から抜けている場合があるようです。
年金特別便や定期便等が自宅に送られてきた際には、その期間に漏れがないか確認をして見ましょう。
昔加入していた期間1年分が見つかれば、年2万円余りが増額されます。
以前は厚生年金番号と国民年金の被保険者番号が異なっていたので、結婚をして厚生年金から国民年金に加入した場合、年金番号が変わったのでこのような問題も起きたのです。
平成9年1月以降に初めて年金加入された方は、基礎年金番号の導入により年金記録は一元化されたので、このような事態は減ってきています。

記録漏れ訂正で年金返納はせず
サラリーマンの妻の年金記録訂正によるもうひとつの問題点として、厚生年金の加入記録漏れを訂正した際に既に受け取った年金の返納を求められるケースがありました。
妻が専業主婦から一時的に会社勤めをし、退職して再び専業主婦となった時には「第3号被保険者」の届出が必要でした。
しかし、届出漏れをしていた場合「第3号被保険者」期間は未加入扱いとなります。
事後に届出も認められていますが、年金受給額に反映されるのは届出後であるため3号の届出漏れをしていた場合、受給資格にも年金額にも反映されないので、受け取った年金は払いすぎていたとして返還を求められるケースもありました。
しかし、厚労省は最近になってこのようなケースは返還を求めないし、既に返還した方には払い戻す事を発表しました。
対象となった方は、払戻しの申請をしておきましょう。
妻の3号被保険者の届出は手続き漏れが多いため、平成14年4月から夫の健康保険の被扶養者となる手続きの際、同時に届出る事となっていますので、現在は届出漏れは少なくなっている事でしょう。




ロッキードと偽り不正 2009年09月09日

偽り不正の行為とは
偽り不正とは、脱税の意思を持って偽計その他の工作をして、税の賦課徴収を不能もしくは著しく困難ならしめる過少申告や無申告をする行為で、国税反則取締法に問われると刑事罰として5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処せられます。

昭和56年改正と附帯決議
偽り不正の場合の条項は国税通則法の立法時から存在しているのですが、昭和56年の改正で偽り不正の場合の更正処分の期間制限や国税債務の時効の期間が5年から7年に延びました。
昭和56年に改正したのは、ロッキード事件を契機として、その裁判中のことで、ロッキード事件のような大事件をめぐる世論への配慮があったからでした。
ただし、衆参両議院大蔵委員会では「更正、決定等の制限期間における調査に当たっては、高額かつ悪質な脱税者に重点を置き、中小企業者を苦しめることのないよう特段の配慮をする」旨の附帯決議をしています。

3年、5年、7年
税務調査で修正申告や更正処分がされる通常の遡及期間は所得税で3年以内、法人税で5年以内です。たとえ仮装隠蔽行為があり、重加算税が課せられる場合でもです。
所得税で5年に及ぶのは、偽り不正が問われた場合に限られ、さらに、所得税・法人税とも7年に及ぶのはその偽り不正の行為が特に「高額かつ悪質な脱税者」と言える時だけです。

5年の時効の壁
5年と7年との間には、そのほかもう一つ時効という壁もあります。
納税債務は5年で時効となります。法律で、時効の利益は放棄できないと定められていますので、時効を無視した修正申告はそもそも無効です。修正申告ならいつでも7年間遡及提出ができるというわけではないのです。

立法の経過と趣旨を忘れまい
ロッキード事件から30年以上も経ってしまうと、その事件の衝撃が生み出した重いペナルテイーが、平時の事案に安易に拡張適用される傾向にあります。附帯決議に現れている立法趣旨を心して忘れないようにしたいものです。




こどもへの手当、どうなるの? 2009年09月08日

1.児童扶養手当とは
8月30日の選挙で勝利した民主党の「子育て・教育」マニフェストの一つとして「母子家庭と同様に父子家庭にも児童扶養手当を支給する」とあります。
他にひとり親家庭における手当として、児童育成手当(条例により制定)がありますが、これは「離婚、死亡などの理由により18歳までの児童を養育している父または母」がその対象となっており、児童扶養手当と異なり、父子家庭もその対象となっています。
児童扶養手当については、児童扶養手当法1条で「父と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与する」目的で手当てを支給するとしており、父子家庭を除外しています。

2.寡婦控除と寡夫控除
ところで、所得控除の一つとして寡婦(夫)控除があります。
寡夫の要件は、離婚または死別しまだ再婚していない者等で
①所得金額が38万円以下の生計を一にする子がある者
かつ
②所得金額の合計額が500万円以下である者であること
寡婦は①か②のいずれかの要件を満たす者となっており、父子家庭の方が条件が厳しくなっています。

3.母子家庭の現状
しかしながら、母子家庭の生活水準は非常に厳しく、母子家庭の数はこの5年で20%増加し、平均年収は213万であり、全世帯の平均所得金額の4割にも満たない事がわかっています(総務省・厚労省調査)。
離婚をした場合、こどもを引き取るのは母親が圧倒的に多く、手当の申請(養育費を加味して計算)、保育園の申込み(就労が前提)など多くの手続があります。

4.きめ細やかな配慮・政策を
国や市区町村では母子就労支援や母子福祉貸付金など、母子家庭への支援の制度があります。
実際にそれらの制度の申請に行ったところ、配慮に欠ける対応を受けたことがあったと聞きます。
また、民主党マニフェストにある「こども手当」は中学卒業まで一人あたり年31万2千円の手当を支給するとしていますが、一方で配偶者控除や扶養控除の見直しにより、「父親が就労・母親が専業主婦・子どもが大学生」の世帯は増税になると言われています。
そして、子ども手当の受給に所得制限がないとすれば、結局のところ低所得者へのきめ細やかな政策となるのか、疑問が残ります。
      




民主党政権で税制は? 2009年09月07日

第45回衆議院議員総選挙において、民主党が306議席を獲得し、新たに政権を担うこととなりました。
民主党は、マニフェストにおいて税制について公約を掲げていますので、いくつか見てみましょう。

年末調整選択制度の導入
給与所得者についても確定申告を原則とし、年末調整も選択できる制度が導入されます。

年金課税の見直し
「公的年金等控除」は平成16年度改正以前の状態に戻され、廃止された「老年者控除」は復活します(ただし、所得制限あり)。

住宅ローン減税
バリアフリー化や省エネなどの社会ニーズの高い分野に対して重点的な負担軽減策が講じられるとともに、自らの資金で住宅を新改築・購入した場合でも、住宅ローン減税と同程度の負担軽減を受けることができる制度(投資減税)が創設されます。

保険料控除
生損保の保険料控除については、社会保障制度を補完する遺族・医療・介護・老後(年金)といった保険商品に対応した、新しい保険料控除制度を創設、所得控除限度額が所得税において15万円程度に引き上げられます。

給付付き税額控除
生活保護などの社会保障制度の見直しと合わせて、次の控除の導入が検討されます。   
(1)基礎控除に替わり「低所得者に対する生活支援を行う給付付き税額控除」
(2)消費税の逆進性緩和対策として、基礎的な消費支出にかかる消費税相当額を一律に税額控除し、控除しきれない部分については給付をする「給付付き消費税額控除」
(3)就労への動機付けのため、就労時間の伸びに合わせて「給付付き税額控除」の額を増額させ、就労による収入以上に実収入が大きく伸びる形で「就労を促進する給付付き税額控除」

これとともに、配偶者控除などの諸控除が見直され、また、税と社会保障に共通の番号制度の導入が前提とされます。

法人税
中小企業に係る法人税の軽減税率は、現行の18%から11%とされます。
「一人オーナー会社(特殊支配同族会社)」の役員給与に対する損金不算入措置は廃止されます。

実現は可能なのでしょうか・・・




債務保証と税務

保証と言えば、ほとんど連帯保証です。
この連帯保証人になると連帯保証人自身が主たる債務者と連帯の関係に立つので
①催告の抗弁権
最初に債務者本人に請求せよと言って、自分への請求を拒否する権利
②検索の抗弁権
まず債務者本人の財産から差押さえせよと言って、自分への執行を拒否する権利
③分別の利益
複数の保証人がいればその数に応じて軽減される利益
もありません。
従って連帯保証人は、債権者の請求を拒絶できません。

(1)連帯保証人の地位も相続する
相続人は、相続開始の日から、被相続人の財産(プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含む)に属した一切の権利義務を承継しますので、被相続人の連帯保証人の地位も相続することになります。
その場合、もちろん、連帯保証の内容(主たる債務者の債務返済状況及び保証債務額)にもよりますが
①相続放棄
原則、相続の開始を知ってから3ヶ月以内に申立
②限定承認
相続財産の範囲内で連帯保証債務を引受ける
のどちらかを選択することが必要です。
この限定承認も、原則、相続開始を知ってから3ヶ月以内に相続人全員で申立てる必要があります。
相続の場合で一番厄介なのは、相続後数年経って突然弁済請求がきたときです。
原則として相続人に弁済の義務が生じますが、例外的に相続放棄が認められる場合もあるので法律の専門家に相談すべきでしょう。

(2)相続税の債務控除と保証債務
相続税の申告に際して、被相続人の保証債務は、原則として債務控除できません。
なぜならば、通常は保証債務である以上、主たる債務者に対して求償できるからです。
相続開始時に保証債務の履行を求められる可能性がない場合や求償可能な場合は、債務控除は難しいと言わざるを得ません。

(3)保証債務の履行と譲渡所得 
保証債務を履行するために不動産を譲渡した場合、その履行に伴う求償権の全部または一部を行使することができない等一定の要件を満たす時は、その行使不能額については譲渡がなかったとものとみなされます。
いずれにしても、一度、保証契約を結ぶとそこから抜けることは大変困難です。
従って保証した金額を肩代わりするだけの覚悟とその対応策を事前に検討しておくべきでしょう。




非常勤役員に対する報酬 2009年09月04日

非常勤の親族役員への報酬は幾らぐらいが妥当なのかと言う質問に明確な回答はありませんが、平成17年にこの金額につき国税不服審判所の裁決が出ています。

事案の概要
代表取締役であるAさんは、設立以来母親を非常勤取締役としており、月額300万円(年収3,600万円)の報酬を計上し、損金の額に算入していたところ、税務署は、取締役としての職務は特に定まっていないことを理由として、月額約15万円のみを損金に算入すべきという処分を下しました。
この月額約15万円というのは同種の企業の非常勤役員報酬の平均値です。
これに対しAさんは、母親は事業の上でも自分の良き相談役であるので少なくとも他の従業員とおなじ月額50万円が相当だとして国税不服審判所に処分の取り消しを訴えました。

国税不服審判所の判断
この訴えに対し国税不服審判所は税務署を支持し、月額約15万円のみを損金の額に算入するのが妥当であるとする判断を下しています。
「良き相談役」というのはあくまで主観で客観性・具体性に欠けるものであり、何らの証拠書類もないことなどがその理由です。

名目役員と租税回避
推測ですがこの場合、実態は名目役員であったと思われます。
また月額300万円の報酬は社会通念上も逸脱した金額であり、社長の所得を母親へ分散し、所得税の軽減を意図した行為であったのだと思われます。

月額15万円を多いと見るか、少ないと見るかは考えようです。
この裁決を「名義だけの親族役員にも、月額15万円は認めても良い」と解釈すると、親族役員の場合、儲かっていないときは無償で仕事をし、仕事が順調になったので従業員をやとって今は特に仕事をしていない場合や、仕事はしていないが、借入れの担保としての土地を提供している場合や、きちんと役員会には出席し、会社の意思決定には参加している場合などがあります。
報酬額の決定には様々なケースが想定されますから、月額15万円以上の報酬の支払いも充分可能かもしれません。




健康保険料率は都道府県別に 2009年09月03日

「協会けんぽ」都道府県別保険料率に改定
中小企業で働く従業員やその家族を対象としている政府管掌健康保険は、昨年の10月に設立された「協会けんぽ」が運営しています。
設立より1年以内に都道府県別の保険料率を決定するとされていましたが、今年の9月より地域別の保険料率が決定し、導入される事となりました。
従来の全国一律の保険料率では、疾病予防等地域の取り組みで医療費を下げても、その地域の保険料率に反映されないという問題点がありました。
今後は地域の取り組みで医療費が下がれば保険料率も下げることができる仕組みとなります。

年齢構成の違いや所得水準の違いは調整
都道府県毎の保険料率については、中高年齢層の割合が高い等地域間の年齢構成の違いによる医療費や所得水準の差がそのまま保険料率に反映されるのではなく、調整したうえで、保険料率を決定する事となっています。
また平成25年9月までは、都道府県間の保険料率の差を小さくする激変緩和措置を行い、平成21年度については実際の保険料率と全国平均の保険料率(8.2%)との差は10分の1に調整されています。


9月からの保険料率(下記を労使で折半)
北海道 8.26% 滋賀県 8.18%
青森県 8.21% 京都府 8.19%
岩手県 8.18% 大阪府 8.22%
宮城県 8.19% 兵庫県 8.20%
秋田県 8.21% 奈良県 8.21%
山形県 8.18% 和歌山県8.21%
福島県 8.20% 鳥取県 8.20%
茨城県 8.18% 島根県 8.21%
栃木県 8.18% 岡山県 8.22%
群馬県 8.17% 広島県 8.22%
埼玉県 8.17% 山口県 8.22%
千葉県 8.17% 徳島県 8.24%
東京都 8.18% 香川県 8.23%
神奈川県8.19% 愛媛県 8.19%
新潟県 8.18% 高知県 8.21%
富山県 8.19% 福岡県 8.24%
石川県 8.21% 佐賀県 8.25%
福井県 8.20% 長崎県 8.22%
山梨県 8.17% 熊本県 8.23%
長野県 8.15% 大分県 8.23%
岐阜県 8.19% 宮崎県 8.20%
静岡県 8.17% 鹿児島県8.22%
愛知県 8.19% 沖縄県 8.20%
三重県 8.19%
(全国健康保険協会hpより)




工事収益における認識基準 2009年09月02日

従来、我が国の会計基準では、工事請負契約における収益認識基準は、「工事進行基準」と「工事完成基準」の選択適用が認められていました。
しかし、平成21年4月から始まる事業年度から、上場・非上場や会社規模に関わらず、「工事進行基準」での会計処理が原則適用となりました。
また、この新会計基準は、建設業だけでなく、受注制作のソフトウェアや制作物についても適用されます。

(1)会計における進行基準の適用要件
会計基準では、「成果が確実に認められる工事」については工事進行基準を適用し、それ以外の工事の場合には工事完成基準を適用することとされました。
「成果の確実性」については、
①「工事収益の総額」
②「工事原価の総額」
③「決算日における進捗度」
の3つが信頼性をもって見積もれることを条件としています。
また、進捗度を表す方法として、「原価比例法」(工事原価の見積総額に占める実際原価の割合から進捗度を導く方法)を例示しています。

(2)税法における進行基準の適用要件
法人税法では、平成20年の税制改正で、工事進行基準の適用範囲を拡大及びその適用要件を緩和しました。
具体的には
①工事の請負にソフトウェアの受注制作が追加され
②長期大規模工事の要件のうち
(イ)工事期間要件が1年以上(改正前:2年)
(ロ)請負金額要件については10億円(改正前:50億円)以上
にそれぞれ見直されました。会計基準とは違い、法人の自由な選択といった恣意性が排除されています。
また
③長期大規模工事以外の工事で損失が生ずると見込まれるものについて、工事進行基準が適用できることとされ(改正前:適用不可)
④工事進行基準の方法により計上される未収入金部分について、貸倒引当金の対象となる売掛債権等の帳簿価額とすることとされました。

(3)税法における進行基準の適用方法 
法人税法では、会計基準と同様「原価比例法」を原則としています。
具体的には
①工事進捗割合=発生した工事原価(原材料、労務費等)÷工事の見積原価総額
②当期に計上すべき工事収益の額=工事請負対価の額×工事進捗割合-前期以前に工事収益に計上した金額
③当期に計上すべき工事原価の額×工事進捗割合-前期以前に工事原価に計上した金額

となっております。




公的年金から住民税天引き 2009年09月01日

年金からの天引きの歴史
公的年金からの税金や社会保険料の天引きは、所得税の源泉徴収にはじまり、介護保険料に拡大し75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度の保険料も天引きとなっています。
また、65~74 歳が加入する国民健康保険料についても年金天引きすることになっています。

次は何を天引きする
公的年金から個人住民税を源泉徴収する制度が盛り込まれてました。
天引きの対象となるのは、老齢基礎年金等の支払いを受けている65歳以上の納税者ですが、給付額が年額18万円未満である場合や、徴収税額が年金給付額の年額を超える場合は対象とはなりません。
制度が適用されるのは、平成21年10月支給分の老齢年金が最初となります。
総務省によると、個人住民税では500万人程度が該当するそうです。

なぜ住民税の天引きか
平成19年からは、国税としての所得税よりも地方税としての住民税の方が重税になる人が増えます。
年配者の住民税は本人が直接納付することが多いことから、その負担感が大きく感じられ、負担の変化にも敏感になりやすいため、住民税をめぐる氾濫とでもいうべき
社会現象もときどき起きていました。
それで、全国市長会などからの強い要望で、負担感を希薄にできる公的年金からの天引きが本年度の地方税制改正に盛り込まれたというわけです。

少ない広報
個人住民税の公的年金等からの天引きは、「納税者の負担の軽減」という趣旨で提案されています。
そういう面も確かにあるとは思います。
それに、各人の税や公的負担の総額に変化があるものではないので、重要な制度改正というものではない、と言えるかもしれません。
とはいえ、制度ができる前に年金受給者への十分な広報・説明のあるべきなのが本来であることは、いうまでもありません。