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子ども手当と配偶者控除廃止の関係 2010年02月26日

扶養控除廃止は見送られた
政府の2010年度税制改正大綱が決定され、当初予定されていた、扶養控除の廃止は子ども手当の支給される15歳以下の「年少部分」の廃止のみとなり、配偶者控除廃止も見送られました。
夏の参院選を意識しての事か、マイナスの影響を受ける世帯はほとんどなかったものの、子ども手当等の財源は赤字国債で賄われる事となりました。

子ども手当に必要な財源は毎年五兆円
しかし、今後の財源のことを考えると11年度以降に配偶者控除の廃止が見直されないとも限りません。
もし配偶者控除が廃止された場合、女性の働き方は大きく変わってくる事が考えられます。
今まで妻がパートタイマー等で年収103万円以下であれば、夫の収入の配偶者控除を受ける事ができ、その分所得税は安くなっていました。
社会保険も夫の被扶養者として妻は保険料負担をしていませんでした。
毎年年末になると年収を抑えるため、多忙な時期に仕事を休んでしまうパートさんもいて、困ってしまったという企業もあった事でしょう。

子ども手当とパートの社保加入の関連
配偶者控除の廃止が実施されると103万円の壁はなくなり、少しでも長い時間を働きたい人が増えて来る事が予想されます。
これは一見、長い時間働いてもらえることが良いように見えるものの、一方ではパートタイマーの社会保険加入が促進されていくかもしれないという事が考えられます。
現在は一般の従業員の4分の3以上の労働日数、労働時間を勤務すると加入対象となり、例えば1週の労働時間が一般の人が40時間の事務所では週30時間以上働く人が対象となります。
今まで103万円以内で勤務していた人は、控除の壁がなくなると、より長い勤務時間を希望し、再び社会保険の適用拡大論議が高まるかもしれません。

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確定申告はお早めに 2010年02月25日

個人事業主や不動産賃貸収入がある人は、原則として、確定申告をしなければなりませんが、給与所得者で年末調整をした人でも医療費や住宅ローン(1年目のみ)などの控除をうけるときには確定申告が必要となります。

(1)確定申告が必要な人の例
 ①個人事業者
 ②不動産賃貸収入のある人
 ③給与の年間収入金額が2,000万円を超えている人
 ④給与を2箇所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える人
 ⑤給与を1箇所から受けていて、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える人
 ⑥同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与のほか、貸付金の利子や資産の賃貸料を受取っている人
 ⑦土地、建物、ゴルフ会員権等を売却し売却益を得た人
 ⑧医療費控除、寄付金控除、雑損控除などの適用を受ける人
 ⑨株式等を売却し売却益を得た人(上場株式等の売却で所定の手続きをした人は除く)
 ⑩住宅を取得し、ローン控除を受ける人
 ⑪特定の増改築のローン控除を受ける人

(2)確定申告に必要な書類の例
 ①源泉徴収票
 ②医療費の領収書(領収書等の日付に要注意・・・領収書の日付が平成21年のものだけが医療費控除の対象)
 ③寄付金の領収書(ふるさと納税も含む)
 ④初年度に住宅ローン控除を受ける場合
  ・住民票の写し
  ・土地家屋の登記事項証明書
  ・売買契約書、請負契約書等
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書(金融機関より入手)
 ⑤各種控除証明書(生命保険料、地震保険料、小規模企業共済等掛金、国民年金保険料の支払証明書等)など
 なお、振替納税の手続きをされている人は、4月22日が振替日ですので、預金残高の確認をお忘れなく。





雇用調整助成金の受給要件緩和 2010年02月24日

長期化する雇用情勢の悪化を受けて
雇用調整助成金並びに中小企業緊急雇用安定助成金は、企業の生産量や売上げ減少に伴い従業員に休業や出向をさせ雇用維持に勤めた事業主に休業手当や賃金に相当する額として定められた方法で計算した額が支給されます。
このたびの長引く不況を受け、受給要件の緩和が行われました。

1.生産要件の緩和(平成21年12月改正)
従来の生産要件「売上高または生産量の直近3カ月間の月平均値がその直前3カ月または前年同期に比べ5%以上減少していること」に加えて「売上高または生産量の最近3カ月間の月平均値が前々年同期に比べ10%以上減少し、直近の決算が赤字である事業主」も利用可能になりました。
従来の要件は1年前との比較ではすでに生産量が下がり切った状態であった場合、利用できない事態もあるので2年前との比較が認められました。
雇用調整助成金は12月14日から、中小企業緊急雇用安定助成金は12月2日から各々一年間の間に対象期間の初日(2年目の初日も含む)があるものに限られています。

2.申請様式の変更・助成金額の計算方法変更(平成21年11月30日改正)
申請用紙の様式第5号他、一部様式が変更されています。
新様式は厚労省HPからダウンロードする事ができます。
また、助成金の支給額計算にかかる平均賃金の計算方法は、以前は確定した労働保険料の基礎となる従業員の賃金総額をその年度の所定労働日数で除して算定されていましたが、11月30日以降に初回実施計画届を提出したものからは休業協定に定める休業手当の支給額を暦日で計算する場合、所定労働日数でなく、暦日数(365日)で賃金総額を除し、金額計算します。
この場合は従来よりも支給日額が低くなります。

3.再度の出向の要件緩和(平成21年11月30日から1年間の措置)
従来助成の対象となる出向から復帰後、6カ月待たずに行われた再出向については対象となりませんでしたが、6カ月経過前でも支給対象となりました。
以上の措置の他、支給事務にかかる時間を短縮し、初回申請は2カ月以内、2回目申請は1カ月以内に支給決定されるよう、迅速化が図られました。




配当所得の申告について 2010年02月23日

上場株式を所有している方は、毎年のように配当を受け取られていると思います。
この配当について、申告を考えている方はあまり多くはないのではないでしょうか。
今回は「上場株式を発行済株式総数の5%未満にあたる分だけ持たれている方」、つまり「大口株主」以外の方の配当所得の申告についてお送りします。

配当所得の「申告不要制度」
配当所得は原則として申告をする所得ですが、ほとんどの方は「申告不要制度」によって申告をしていません。
しかし、確定申告をした方がおトクになる場合があります。
配当の申告方法は、総合課税(給与所得・不動産所得などと合計して税額を計算する方法)と、申告分離課税(給与所得などとは切り離して税額を計算する計算)を選択することができます。

総合課税は「所得の低い方」
配当所得について総合課税を選択した場合、所得額から一定額を控除してもらえる「配当控除」を受けることができます。
この控除は、配当とその他の所得の合計から扶養控除等の所得控除を差し引いて算出した「課税総所得金額等」によって額が変わります。
ただし、申告しておトクなのは「課税総所得金額等」が330万円までです。
総合課税は累進課税なので、所得が高く税率が高い方は、税率の低い源泉税を納付している配当を他の所得に含めるとかえって税金が高くなってしまうからです。

申告分離課税は「株で損をした方」
申告分離課税を選択して申告をするとおトクなのは、上場株式の売却損がある方や過去3年分の上場株式等の譲渡損失の繰越の申告を行っている方です。
これらの損失がある場合、申告分離課税を選択して配当所得を申告すると、この上場株式の譲渡損と配当所得を通算して、配当所得を相殺してくれます。場合によっては配当について源泉徴収された税金が還付される可能性もあります。

所得の少ない方も注意が必要です。
パート等で働かれている方が、配当控除を得るために配当所得を申告して、所得が給与所得103万円を超えてしまった場合、その方の扶養控除や配偶者控除がとれなくなってしまいます。
これは総合課税でも申告分離課税でも同様です。




為替差益の節税方法 2010年02月22日

急激な円高
このところの円高は輸出企業にとっては大変きついものがあります。
2007年8月のサブプライムローンの問題が表面化する前のレートが1ドル124円だったのが、一時84円まで円高が進みました。
投資家の間では70円台の円高もあるのではないか、長期的にはドルは下落していくのではないかと言われています。
また、その一方でこの円高はチャンスだと捉えて外貨預金に換える動きも出ています。
今後円高になるか円安になるかについての予測はできませんが、外貨預金については、為替差益についての節税方法があります。
元本が多ければ多いほどその効果はてきめんですが、リスクも大きくなることにはご留意下さい。

外貨預金
一般的に外貨投資といえば外貨預金ではないでしょうか。
一時期より金利が低くなったとはいえ、オーストラリアドルに関しては3%強の金利がつきます。
ただし金利とともに為替差益を狙うのであれば事情は変わってきます。外貨預金の為替差益については雑所得として総合課税が適用されます。
最高で50%の累進課税となってしまい、所得が多い方ほど多くの税金を納めなければなりませんが、この税金を無くすことができるのです。

外貨MMF
外貨預金とは似て非なるものがあります。
それは外貨MMFという金融商品です。
外貨MMFとはマネー・マーケット・ファンドの略で公社債や短期金融商品を中心に運用されています。
米国では現金に準ずる安全な金融商品とされています。
外貨MMFでは為替差益については非課税とされています。
これは債券の譲渡益は非課税という大原則が貫かれているためです。
つまり、1ドル80円の時に外貨MMFを800万円分購入して1ドル120円の時に外貨MMF1200万円分を売却して為替差益400万円を得たとしても税金は取られない仕組みになっています。
外貨預金では同じケースの場合、最高税率の方ですと200万円の納税となります。
税法の解釈により似たような金融商品でも税金にこれほどの差が出てしまいます。




助成金受給の注意点 2010年02月19日

厚生労働省関連の助成金は主なものだけでも60個以上あり、自社で受給できそうな助成金を研究し、利用している企業も多い事でしょう。
しかし、受給できると思っていても思わぬ落とし穴があり受給でき損なったり二度手間になったりということも多くあります。
それはどんな時に起きるのでしょうか。各助成金に共通する留意点を見てみます。

1.計画書の提出を忘れていた
雇用関係の助成金を受給するためには、多くの場合、事前に計画書を出すことが条件になっています。
個々の助成金によって提出時期は異なりますが、例えば、「中小企業緊急雇用安定助成金」では休業開始予定日等の前日までに「休業実施計画書」の提出が必要ですし、届出をしていなければ休業をしても対象になりません。
また新規会社設立時などの「中小企業基盤人材確保助成金」は法人設立日等の日より6カ月以内に「改善計画認定申請書」を提出しておき、更に雇い入れ前に「実施計画認定申請書」を提出しておかなければ支給されません。
事前申請が必要な助成金は注意が必要です。

2.申請期限に出し忘れてしまった
助成金には申請期限がありますので、1日でも遅れると受理されない場合がほとんどです。
例えば「中小企業緊急雇用安定助成金」では「計画→休業実施→支給申請」という流れですが、支給申請は計画期間の末日の翌日から2ヶ月以内に行います。
書類の不備があると受理されない助成金もありますので、期限ぎりぎりでなく早めの申請を心がけましょう。

3.要件を満たしていなかった
助成金の中には、解雇制限期間は、支給対象とならない助成金があります。
実施(認定)計画提出日や対象労働者の雇い入れ日の6ヶ月前の日から一定期間事業主都合の解雇者を出していると対象となりません。
一人でも解雇者がいると出ない場合や、三人かつ被保険者数の6%を超えると出ないというような場合もありますので、事前のチェックが必要です。

4.その他
助成金の中には提出書類が多い割に受給額が少なかったり、手数の割に受給までかなり時間のかかるものもあるので、採算を考えておくことも重要です。





証券税制を再確認 2010年02月18日

ここ数年、証券税制は毎年改正が行われてきました。
そのため、本年の確定申告にあたっては、混乱をまねかないためにも、制度の内容、適用開始日の時期、適用税率等の再確認が必要です。

1.配当及び譲渡益に対する適用税率
平成20年の改正では、上場株式の配当等及び譲渡益に対しては、平成21年1月1日からの適用税率は原則20%でした。
しかし、一昨年の米国発の金融危機を受け、平成21年の改正で、平成21年1月1日から平成23年12月31日までは、所得税7%、住民税3%の軽減税率が適用されることになりました。
これは、平成20年以前の税率に戻ったことを意味します。

2.損益通算と配当所得の申告
昨年までは、配当所得は原則「総合課税」か「申告不要」(大口株主は除く)かの選択でした。
しかし、平成21年分の確定申告より、上場株式の譲渡損失と配当所得との損益通算が可能となったことから、上場株式の配当等については申告分離課税の選択ができるようになりました。
ただし大口株主は除かれます。
これは、株式の譲渡所得に関する申告が申告分離課税であることから、それとのつじつまあわせで、損益通算する場合の配当所得も申告分離課税による申告に限るものとされました。
なお、申告分離課税の税率は、所得税7%、住民税3%です。
また、総合課税か申告分離課税かの選択は、その全てについての選択でいずれかに統一しなければなりませんし、この申告分離課税を選択した場合には、配当控除の適用はありません。

3.シミュレーションが不可欠
平成21年中に上場株式の譲渡損失があり、一方、上場株式の配当等がある場合には、損益通算は可能で、申告分離課税を選択して確定申告をすれば、一定の節税効果は期待できます。
しかし、配当所得は申告不要制度も選択できることから、配偶者控除等の適用可否にも影響しますので、実際の金額によるシミュレーションが不可欠です。

4.損益通算と繰越控除
上場株式の譲渡損失は、最初に他の株式の譲渡益と通算し、控除しきれない上場株式の譲渡損失は、次に申告分離課税を選択した上場株式の配当所得と通算します。
それでもなお控除しきれない金額は、翌年以降3年にわたり、同じ順序で繰越控除できます。




贈与税の申告 2010年02月17日

所得税の確定申告は2月16日からですが、贈与税の申告は2月1日からです。
申告書の提出及び納税の期限は、所得税の確定申告と同じ3月15日(月曜日)です。

(1)贈与税の概要
平成21年1月1日から平成21年12月31日までの1年間に財産の贈与(法人からの贈与を除く)を受けた個人(「受贈者」といいます)は、その贈与を受けた財産について、次に掲げるケースに応じて「贈与税の申告」をしなければなりません。
①「暦年課税」を適用する場合には、その財産の価額の合計額が110万円(基礎控除額)を超えるとき
②「相続時精算課税」を適用するとき

(2)暦年課税とは
1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額(1年間に2人以上、または、同一人から2回以上にわたり贈与を受けた場合には、それらの贈与を受けた財産の価額の合計額)を基に贈与税を計算する方式です。
そして、その財産の価額の合計額が基礎控除額である110万円を超える場合には、贈与税の申告をする必要があります。

(3)相続時精算課税とは
贈与者も受贈者も一定の要件を満たしていることが前提で、暦年課税に替えて「相続時精算課税」を選択した場合に適用されるものです。
具体的な課税方式は、贈与財産の価額から2,500万円の特別控除額が認められ、それを超える部分に対して、一律20%の税率が適用されます。
しかし、この適用を受けるには、その贈与を受けた財産の価額にかかわらず、贈与税の期限内申告が必要です。
また、この精算課税を選択した後は、贈与者が亡くなる時まで継続して適用され、暦年課税には戻ることはできず、さらに、贈与者が亡くなった時には、贈与を受けた財産は贈与者の相続財産とみなして持ち戻されます。
ですので、暦年課税か相続時精算課税かの選択は慎重に行なう必要があります。

(3)その他留意事項
婚姻期間が20年以上である配偶者から、居住用不動産又は居住用不動産取得のための金銭の贈与については、基礎控除額110万円のほか2,000万円を控除することができます。
また、今年は、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合には、別途、500万円の非課税枠もあります。
ただし、期限内申告が要件です。  




太陽光発電の電力を売却した場合の税金 2010年02月16日

最近のエコブームの浸透はすさまじいものがあります。
どこもかしこもエコだらけ、エコポイントに自動車の補助金、エコカー減税、ショッピングバッグ(エコバッグ)などなど・・・
「環境にやさしい商品へ」と買い替え需要を促進することが、果たして本当に地球に優しくなるのか、その製品を生み出すための化石燃料の消費と研究開発費を考えれば、耐久消費財の購入による景気回復のために政府に踊らされているだけのような感覚に陥りそうになります。
エコエコと騒がず、本当に必要なものを購入することがエコにつながるのではないかと思ったりもしています。

太陽光発電による電力の買い取り
地球温暖化対策として最近注目を浴びているのが太陽光発電です。自宅にソーラーパネルを設置し、太陽光で充電、生活関連の電力を供給するとともに余剰の電力を電力会社が買い取ってくれるという制度です。
また補助金もあり、太陽発電を新築家屋に設置するには、おおよそ200万円くらいの投資が必要と言われていますが、その補助金として、例えば公称最大出力が3.5kwのシステムの場合、7万円/kW×3.5kW=24.5万円が受け取れます。

売却したときの税務
太陽光発電により電力を家庭内に供給し、さらに余剰電力が出た場合、電力会社が買い取ってくれることになっていますが、この買い取りの収入は所得税の対象となります。
所得の区分は、個人事業に関わる設備から電力を売却した場合には事業所得、自宅の設備から電力を売却した場合には、雑所得となります。
また、給与所得者も電力の売却やその他の雑所得の合計が20万円を超える場合には確定申告の必要があります。

現実には
この設備の一般家庭での発電量は、日照時間や家庭の電力消費量にもよりますが、各家庭の全ての電力をまかない、さらに余剰を編み出すほどの力は出ないのではないかと思われます。大きな設備投資ですので、補助金や電力買い取りに目を奪われず、計画的なシミュレーションや資金繰りをしていくことが重要です。




景品と税金 2010年02月15日

懸賞などとしての受取景品の税金
商品・サービスの利用者が、偶然性(福引くじ等)、特定行為の優劣(懸賞クイズ等)、市場における偶然の遭遇(街頭配布や来店者配布)によって景品の提供を受ける場合は、商品・サービスとの対価関係がなく、所得としては事業上の取引でなければ一時所得となり、50万円の特別控除後2分の1課税となります。

懸賞によらない受取景品
商品・サービスの利用者が、偶然性を伴わない一定の利用量基準によって差別的に景品を受取る場合には、商品・サービスとの対価関係が認められとして、一時所得以外の所得となります。

例えば「宝くじ付定期預金」の場合
「宝くじ付定期預金」を契約した顧客に対し景品として宝くじを交付することとしている場合、預入金額及び預入期間に応じて宝くじを交付するものは、元本の使用の対価と認められるので、宝くじの発売価格相当額が預貯金の利子に該当することとなります。

個人向け国債販売キャンペーン景品の場合
キャンペーン期間中、個人向け国債を新規資金にて100万円以上購入した顧客が、その購入の多寡による一定の基準でギフトカードもしくはキャッシュバックを受け取れる当該景品の交付は、国債の購入という行為に密接に関連してなされているものと認められ、対価性を有しており、かつ利子、配当、不動産、事業、給与、退職、山林、譲渡及び一時の各所得のいずれにも該当しないことから、雑所得とされます。

景品交付側の費用処理
法人が商品等の抽選券付販売により当選者に金銭若しくは景品を交付し、または旅行、観劇等に招待することとしている場合には、これらに要する費用の額は、当選者から抽選券の引換えの請求があった日又は旅行等を実施した日の属する事業年度の損金の額に算入します。
ただし、当選者からの請求を待たないで、法人が金銭又は景品を送付することとしている場合には、抽選の日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。




扶養控除の付け替え 2010年02月12日

確定申告の時期を迎え、会計事務所のこれから1ヶ月間は、所得税と消費税の申告書と格闘する毎日となります。

扶養控除の付け替え
個人事業者などで、年間の収入と経費を集計した結果、状況によっては、去年まで申告していた扶養控除などの所得控除を他の家族の所得に付け替える方が税金上有利になる時もあります。
すなわち、家計の中の1人1人の収入を個別に捕らえるのではなく、1世帯を1つの家計として考えると、扶養控除などの所得控除は、所得(税率)の高い人が申告する方が家計全体の税金は減少するのです。

共働きの夫婦のケース
例えば、子供のいる共稼ぎ夫婦で、毎年夫に子供の扶養をつけていた場合を例にしますと、ある年に両者の所得を集計した結果、妻の所得が夫の所得よりも上回り、税率が高い場合には、扶養控除は所得の高い妻の方につけたほうが家計全体の税金は少なくなります。

結果として扶養者になるケース
さらに話を進めていきますと、例えば、個人事業の夫と給与所得のある妻の場合で、確定申告の時期となり、夫の個人事業の収入・経費を集計した結果、経費が収入を上回り、夫の所得が発生しないケースを想定してみます。
この場合には、夫は所得がありませんので妻の扶養に入ることができます。
妻は勤め先の年末調整で本人の税金は確定していますが、改めて「夫を扶養者とする」確定申告書を提出することで所得が下がり、税金が減少することになります。

注意点
サラリーマンの方については、年末調整時に扶養する者を勤め先に知らせることで扶養手当てなどをもらえる場合がありますので、所帯全員の所得の中で一番高い所得でなかったとしても扶養控除を選択する方が有利になるケースもあると思われます。




景品に関する規制とは 2010年02月10日

1 懸賞や景品の金額に制限があることをご存知ですか?
不当景品類及び不当表示防止法は、景品類の最高額や総額等を規制し、過大な景品類の応酬による不健全な競争を防止しています。
規制を受ける「景品類」とは
(1)顧客を誘引するための手段として
(2)事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する
(3)物品、金銭その他の経済上の利益をいいます。値引きやアフターサービスは「景品類」に含まれません。
そして、「景品類」の提供方法により、「懸賞」、「総付景品」に大別され、各々景品類の限度額等が定められています。
消費者庁は、違反した事業者に対し、景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができます。

2 懸賞にかかる規制とは?
「懸賞」とは、商品・サービスの利用者に対し、偶然性(くじ等)、特定行為の優劣(クイズ等)等によって景品類を提供することをいい、複数の事業者が参加して行う「共同懸賞」、それ以外の「一般懸賞」と分けて規制されています。
一般懸賞における規制は
①最高額が、取引金額が5,000円未満であればその20倍、5,000円以上であれば10万円を限度とし、かつ
②総額は、懸賞にかかる取引予定総額の2%がその上限となります。

共同懸賞の場合には
①最高額が一律30万円で、かつ
②総額は、懸賞にかかる取引予定総額の3%がその上限となります。

3 懸賞によらない景品等の場合は?
これに対し、一般消費者に対し、「懸賞」によらずに提供される景品類を「総付景品(そうづけけいひん)」といいます。
商品・サービスの利用者や来店者に対してもれなく(申込順、先着順も含む)提供する商品・サービスがこれです。
こちらは、取引価格が1,000円未満であれば200円、1,000円以上であればその2割が上限となります。

4 その他
なお、新聞、雑誌、不動産、医療について、別途規制があります。
実際の計画で、規制に該当するか否かを判断するのは、意外と難しいので、消費者庁に問い合わせることをお勧めします。




扶養親族の綱引きと機会の不平等 2010年02月09日

先着順が大原則
別居や離婚後、養育費その他の費用を負担している父と、日常の起居を共にしている母とがいる場合、どちらの扶養親族とするかは、二重の控除は認められないので、「扶養控除等申告書」などの扶養親族とする届出をどちらが先に提出したかによるものとしています。

先着順とすることの不公平
しかし、夫婦の一方が、別居や離婚後、就職して新たに働き始めるというような場合に、そもそも先着順を争う前提的条件がないわけですから、子の帰属をめぐる争いがある場合には税法は中立の立場になく、アンフェアと言わざるをえません。
扶養親族というなら本来はどちらが主要な扶養者かで決すべきところなのに、規定は、先着順を大原則とし、それが不明なときは、所得の大きい者の側に帰属するものとしています。
先着順や所得の多寡は決して扶養の事実の直接的な証明になるものではありません。

別なルール適用者にも同じ判定基準では
扶養控除等申告書の提出の時間的先後を争えるのは給与所得者だけです。
事業所得や不動産所得で収入を得ている人は確定申告書などの提出によってしか扶養親族に関わる届出をする機会がありません。
扶養親族に関わる届出の先後で扶養親族の帰属を決するとなると、そもそも機会の不平等を前提にしているので、給与所得者が常に先着者になってしまうことになります。
給与所得者の「扶養控除等申告書」は通常、その年の前年末に提出するのに対し、確定申告書はその年の翌年2月16日以後に提出するものだからです。

事例もあるのになぜに疑問視されない
審査事例に、別居中の夫は月額2万円を子の養育費として送金しているのみで、妻は子と起居を共にし、生活費も大部分を負担しているというケースで、妻が不動産所得に伴う確定申告において子を扶養親族として申告書を提出したところ、争う術もない先着順ルールで否認されたというものがあります。
アンフェアなルールを決めて、それで判定しても、結論はアンフェアなものにしかなりません。
それに、この先着順ルールは法律ではなく政令規定なので、なおさら納得し難いところです。




相続税過大納付で市役所に国家賠償法の責任 2010年02月08日

最高裁で勝ってしまった
共産党から自民党まで全ての市議会会派が市長を支持した裁判での敗訴が最高裁で最終的に確定しました。
勝ったのは一納税者です。負けたのは鎌倉市です。
この事件は、固定資産税評価額が過大だったことにより、相続税が過大納付になってしまったことに対し、市長に過大納付相続税分の損害賠償を請求したものです。

税務署の仇を市役所に討つ
発端は、相続税の申告の12年経過後に、土地の固定資産税評価額がどうみても高すぎるように思い、市役所に調査依頼をしたことです。
その結果、市役所は評価上の色々な補正割合の適用に原則的な誤りがあることを発見し、12年前からの評価額を洗い直し、固定資産評価審査委員会の決定に基づき12年前から過大納付であった固定資産税を返還しました。
調査依頼人は同時に、12年前の相続税の申告と納付についても、新しく修正された12年前の土地の固定資産税評価額に基づき、相続税評価額を計算し直し、1,956万円の相続税過大額につき、税務署に対し更正の請求をしました。
しかし、税務署は、更正可能期間が既に経過しているとして減額修正の請求に応じませんでした。
それで、市長に対して国家賠償法上の請求を提起したわけです。
当然にこれは係争となり、裁判にもちこまれました。

大岡裁きの連続
平18-05-17 横浜地裁 認容・鎌倉市控訴
平19-09-26 東京高裁 棄却・鎌倉市上告
平21-10-02 最高裁 上告棄却
地裁判決は、「市は守るべき規範である評価基準等に従って評価額を決定すべきにもかかわらず、職務上通常尽くすべき注意義務を怠り漫然とそれをしていたのだから、国家賠償法上の過失及び違法性が認められる」としました。
税務署が過納税金を返してくれないから市役所に腹いせの請求をした、という印象のある事件だったので、地裁での納税者勝訴の判決が出たときには、意外な大岡裁き判決と思われました。
ところが、高裁でも納税者が勝ち、最高裁でも勝ってしまいました。
鎌倉市の弁償額は相続税過大額に年5%の利息相当額約1,752万円を加えた計約3,708万円です。




同時死亡の場合の生命保険金の受取人 2010年02月05日

商法の保険条項
商法によると、「保険契約者には、保険金受取人を指定する権利があるが、もし指定されていた保険金受取人が死亡したときは再指定することができる、ただしその権利を行使せずに保険契約者本人が死亡したときは、保険金額を受取るべき者の相続人を以て保険金額を受取るべき者とする」との規定があります。

こんな場合はどうなる
Aは、P生命保険会社との間で被保険者をA、保険金受取人をAの妻Cとする生命保険契約を締結していました。
AとCの両名が事故により同時に死亡したことから、Aの弟BとCの兄DがP社に対して保険金の支払を求めた事案です。
なお、AとCとの間には子はなく、Aの両親及びCの両親は、いずれも既に死亡しており、Aには弟B以外に兄弟姉妹はおらず、Cには兄D以外に兄弟姉妹はいませんでした。
保険金受取人は弟Bか兄Dか? それとも両者で折半か?

同時死亡の推定規定
民法には同時死亡の推定規定があります。
「数人の者が死亡した場合において、そのうちの1人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する」と規定されています。
この規定により、事故などで、死亡の前後が不明なときは、同時に死亡したこととされます。
ただし、同時死亡の推定の効果は推定にすぎませんので、異時死亡を立証することができればその法的効果は覆えされることになります。

同時死亡の場合の相続権
相続人は被相続人の死亡時に生存している者に限られると解釈されるので、AとCの同時死亡の場合、死亡したAの相続人にCが該当するかというと、Aの死亡時にCは生存していないので、CはAの相続人になれません。
逆にAもCの相続人にはなれません。
従って、保険金の受取人は妻Cであったので、妻Cの相続人である兄Dが保険金受取人ということになります。




労働生産性をあげよう 2010年02月04日

社員58名の計測装置製造業・U社では社員が自主的に働き方を創意・工夫して実行することを奨励し、毎月、実績を上げた社員が全員の前で業務効率改善内容と成果実績を5分程度で発表、その場で改善実績ランク別の「社長表彰」を行っています。
個人だけでなくグループ改善で知恵を出し合うことも奨励していますので、全員が仲間と協力して効率改善を図ることが日常的に行われるようになりました。

労働生産性を上げるには
「労働生産性」とは、企業がヒトと云う経営資源を投入して、どの程度の付加価値が得られたかを示し、「設備投資の生産性」とともに、経営資源活用の有効性を示す重要な指標です。

「付加価値」とは企業が新たに生み出した価値であり、簡便法として製造業・非製造業別に次表の方法で計算します。
製品(商品)の付加価値を上げるために製品開発や設計改良・設備投資による省人化・仕入改善も効果がありますが、ここではそれらの元になり、かつ現場改善効果が生み出せる最も大切な人の知恵による生産性改善に注目しましょう。
例えば設計業務は技術者が、図面に材料の穴あけ設計する場合、その形状を統一するだけで、現場労働者の生産性が大きく改善される、と云ったように生産コストに影響があります。
U社は社長がこのような関係を経験から熟知しているために、技術者も現場労働者も一緒に自発的に協力して改善を考えるように、全員の前で改善実績の発表と表彰を行っているのです。
その際、それぞれの改善実績のどこが良かったか、協力の成果がどのように表れたかをコメントしています。
人材のやる気やチームワークが労働生産性に決定的な影響を及ぼすことを知りぬいた「労働生産性向上法」をとっているのです。




役員退職金と功績倍率 2010年02月03日

功績倍率法が普遍的
役員退職金について、法人税法では「不相当に高額」な部分を損金不算入としています。
いわゆる過大役員退職金問題です。
役員退職金をいくらにすればよいかの話題のときの適正額の限度基準としては一般に功績倍率法が多く採用されています。
功績倍率法は、「役員の最終月額給与×勤続年数×功績倍率」の算式で表現されます。

功績倍率の無難値
この算式の中で、最も争いの種になるのが「功績倍率」の部分ですが、代表取締役社長の退任については一般に「3倍」を採用すれば無難と解されています。
「3倍」を無難とする法律や通達の根拠はないのですが、判決の積み重ねの中で基準値として確立してきたものと言えます。

モデル判決
最も基準とされる判決は昭和55年5月26日の東京地裁判決です。
この訴訟で被告税務署長は「全上場1603社の実態調査の結果から算出される功績倍率の平均が社長3.0、専務2.4、常務2.2、平取締役1.8、監査役1.6」であると主張し、これが高裁、最高裁の判決においても採用されて、以後の税務行政に影響を与えてきました。

それでも異なる個別事案判決
とは言え、その後の判決の中でも、昭和63年9月30日の静岡地裁判決は功績倍率2.2を採用し、平成19年11月15日の国税不服審判所の裁決では1.9を採用していますので、功績倍率3.0が必ずしも安全値と言えるわけではありません。
逆に、昭和51年5月26日の東京地裁判決では7.5、最近でも平成16年6月15日の国税不服審判所の裁決では4.7を採用するなどのケースもあります。

スジ論と形式論
本来、役員退職金をいくら支払うかは、会社が主体的に判断することで、他に基準を求める話ではないともいえ、会社への貢献の度合いを分析的に明らかにし、資料的に整えることを通じて、算定することが重要です。
そうではあるものの、事前に功績倍率法の各算定項目事項を整備し、功績倍率「3」を採用しておくことが、役員退職金の金額妥当性の税務調査時の説明上、有効性を確かに持っているように感じられる所です。




役員慰労退職金を利用した相続税対策 2010年02月02日

前回は生命保険を利用して、生命保険解約時の利益と退職金を相殺させることで、会社の損益にほとんど影響を与えることなく退職金を用立てできるスキームをご提案いたしました。
今回は役員の退職により計上される経費を利用して将来の相続対策をするケースをご紹介します。

非上場会社の株価評価
例えば、業績好調な1人オーナー会社に代替わりの時期が近づき、社長から息子へと代表権と株を移転させるケースがあったとします。
代表者の交代は、株主総会の決議を経て登記することができますが、息子に株を移転させるためには、その会社の株が1株いくらなのかを確定する必要があります。
そして、株を市場に公開していない会社が自社の株価を算定するためには、一般的に「純資産価額方式」と「類似業種比準価額方式」という2つの評価方法の折衷法を用いることになります。

純資産価額方式
これは、法人の純資産(通達に定める総資産から総負債を引いた額)を発行株数で割ることにより、一株あたりの純資産額を法人の株価とする方法です。
この方法では純資産が多いほど1株あたりの価格は高くなります。

類似業種比準価額方式
これは、同様な事業を行っている上場会社の配当金や損益、純資産状況を基として評価対象会社と比較し、株価を算定する方法です。
この方法では同業他社と比べて利益等が多いほど1株あたりの価格は高くなります。

相続対策
役員退職金は一般的に金額が大きくなるため、退職金を支出した期は経費が大きくなり、経営成績が落ち込みます。
また退職金の支出に伴い純資産も減少します。
したがって役員退職金を支給した期に株を評価すれば、株価も大きく落ち込こむことになります。
そしてこのタイミングで譲渡または贈与を行えば、平常時に移転するよりもずっと少ない株価で株の移動をすることができるのです。





「機械装置」と「器具備品」の区分 2010年02月01日

減価償却資産において、「機械及び装置」と「器具及び備品」ついては、法令上の明確な定義はないようです。
減価償却資産の耐用年数等に関する省令には、
別表1(機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表)
別表2(機械及び装置の耐用年数表)
別表3(無形減価償却資産の耐用年数表)
別表4(生物の耐用年数表)
等が掲げられ、それぞれ耐用年数が定められています。
また、実際の運用にあたっては、「耐用年数の適用等に関する取扱通達」に委ねられています。
そして、器具及び備品は、別表1において、構造又は用途に応じて12に区分され、さらに細目別に個別具体的に掲げられているだけです。
一方、機械及び装置も、55の「設備の種類」(平成20年4月の改正前は390に区分されていた)にくくられているだけです。
そこで、ある減価償却資産が、「機械及び装置」又は「器具及び備品」のいずれに該当するかの判断にあたっては、困難な場面に直面することもあるかと思います。

区分する判断の目安
明確な基準というのもがありませんが
①どのような用途に使用されるのか
②各資産が基本的には単体で個別的に機能、作動するものなのか
③他の機器と一体となって設備を形成し、その一部として各機能をはたすものなのか
等が目安になるものと思われます。

具体的な事例
産業用ロボットと言えば、製造業者が生産工程の一部において人に代わって部品の仕分けや組み立て、溶接作業等に使用するケースが一般的で、この場合のロボットは、別表2「機械及び装置」に分類されることは明らかでしょう。
しかし、近年では製造業に限らずサービス業や小売業でもロボットを使用する企業も少なくありません。
この場合の判断ですが、使用するロボットの用途が商品の運搬等に使用するものであれば、上記の判断の目安から、別表1の「器具及び備品」に区分され、「11 前掲のもの以外のもの」の「その他のもの」の「主として金属製のもの」に該当するものと思われます。
また、医療機関で使用している様々な診療用機器も「器具及び備品」の「医療機器」のいずれかの細目に区分され、そこで定められた耐用年数を使用することになります。