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訴訟の先にある解決とは?   

「勝訴判決≒問題解決」

例えば、相手が「支払いをしない場合」あるいは「立ち退かない場合」に、事態を打開すべく訴訟を起こすとします。

その場合、勝訴判決さえ出れば、「支払われる」あるいは「立ち退く」と思っていませんか。

しかし、判決は、あくまで訴えた請求に対して裁判所が下す判断であって、相手があえてこれを無視した場合には、権利の実現のためには、次なる手段が必要です。


強制執行も自己責任で

判決に従わない相手に対しては、裁判所の力を借りて強制的に実現させる手続、すなわち、強制執行をかけることになります。

例えば、債権回収の手段として不動産に対して強制執行をかけるならば、不動産を差し押さえて、競売にかけ、売却代金から配当を得ることになります。

売掛債権に対する強制執行であれば、その債権を差し押さえ、当該債権の債務者に対して直接取り立て、回収に充てます。

このように、強制執行は、めぼしい相手の財産を自ら見つけ、選択し、しかるべき方式で申し立てなければなりません。

裁判所は相手の財産を探し、職権で強制執行をしてくれません。

他方、強制執行の対象となりうる財産が見当たらなければ、判決は事実上絵に描いた餅となります。

判決ばかりが解決ではない

このように、訴訟に勝つことと、権利の実現とはイコールではないのです。

例えば、裁判所から訴訟の途中で減額を内容とする和解勧告があったとします。

ここで、満額回答に固執してこれを拒否した場合、相手が「好きにしろ」と開き直れば、仮に所望の判決を得ても、任意の支払はなされず、また、手間暇かけて強制執行をかけても、回収が実を結ぶとは限りません。

それならば、当初の和解により、たとえ減額でも相手より任意に支払わせる方が得策なこともあるのです。

また、もともとみるべき財産がない場合には、そもそも訴訟を起こすべきか否か自体を考えざるを得ません。

訴訟のゴールを見極める

このように、権利実現の手段として訴訟提起を起こすにしても、それによりどのようにして権利を実現させるかというゴールを考えなければなりません。