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期限切れ欠損金   

法人税法上、欠損金の定義はありますが、「期限切れ欠損金」についての定義はありません。

しかし、現在では、この用語についての認識は得られているようです。

期限切れ欠損金は、概ね、適用年度前の繰越欠損金額から青色欠損金又は災害損失欠損金(青色欠損金等)の額を控除した金額です。

法人税の申告書から求めるとすれば、次のようになります。

「期限切れ欠損金」=別表5(1)「31」①欄の金額-別表7(1)「1の計又は2の計」欄の金額

法人税では、次の3つの事例の場合に期限切れ欠損金の損金算入が認められていますが、厳密には、各事例によって損金算入の範囲及び適用順序が異なっています。


(1)会社更生等の場合

期限切れ欠損金の損金算入は、債務免除益、私財提供益、資産の純評価益のみが対象(使途制限)とされ、青色欠損金等に優先して適用されます。

(2)民事再生等の場合

民事再生等の場合においても、上記(1)と同様な取扱いですが、資産の評価損益の益金・損金算入の規定の適用を受けない場合には、まず青色欠損金等が優先して適用することになっています。

上記(1)と(2)の立法趣旨は、期限切れ欠損金も含めた欠損金の損金算入より、債務免除益等に対する課税を生じさせないよう、企業再生の支援にあります。

(3)清算事業年度の場合

これは、平成22年度の税制改正で創設された制度で、清算事業年度の課税方式が通常の所得課税方式に改められたことによるものです。

すなわち「債務超過会社が清算する場合、債務免除により青色欠損金を超える債務免除益が発生、これに対して期限切れ欠損金の損金算入を認めないとすると債務免除益に対する課税が生じて、実質的に清算が行えない」これがその趣旨です。

損金算入の対象となる期限切れ欠損金は、会社が解散した場合に残余財産がないと見込まれるときであり、青色欠損金等の控除後(かつ最終事業年度の事業税の損金算入前)の所得金額を限度とします。

また、清算の場合の期限切れ欠損金の損金算入については、上記(1)、(2)のような使途制限が設けられていません。

なお、この制度は、平成22年10月1日以後に解散が行われる場合について適用されます。