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確認的規定としての改正税法   

予測に反して確認規定になった 

個人の受け取る保険金が、会社契約で、保険料の半分が会社負担であった場合、個人の一時所得の計算上、その会社負担保険料を必要経費として控除できるでしょうか。

この問題での訴訟で、国の敗訴が濃厚だったので、平成23年度12月税制改正で、会社負担分は控除不可と政令を変えました。

しかし、予想に反して、最高裁では逆転勝訴になったので、不必要な政令改正をしたことになりましたので、改正は新たな意味を持つことのない確認規定を設けたことになりました。

更なる敗訴の前の確認的税法規改正

「記載された金額を限度とする」との税法規定は、

所得税法の外国税額控除、

地方税法の利子割額控除、

法人税法の受取配当等益金不算入、

寄附金損金不算入、

所得税額控除、

外国税額控除

等々にあります。

この規定を硬直的に解釈せずに、「本来なら記載したであろう金額」でよいのではないか、というテーマでの訴訟が起き、最高裁はたてつづけに硬直解釈を排し、「記載された」の規定を「記載すべきであった」の意味に解する判決を出しました。

これで、「記載限度額要件」とか「当初申告要件」とか言われる規定は、全く意味を持たないことになりました。

例えば、後からみなし配当や寄附金の認定を受けたとかという場合でも、「記載限度額要件」とか「当初申告要件」により、益金不算入や損金算入が不可とされても、訴訟に至れば救済されることになりました。


確認規定を超えた見直し

平成23年度12月税制改正では、これらの訴訟の結果を承けてのことながら、相続税や贈与税の配偶者の控除規定にまで及ぶ「記載限度額要件」と「当初申告要件」の廃止に近い見直しが行われました。

措置法関係の規定と、減価償却や引当金などの規定を除いては、徹底した見直しになっています。