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最低賃金と生活保護の逆転現象   

増えている生活保護受給者210万人超

最低賃金で働く人の可処分所得(手取り額)が、生活保護受給者より低い逆転現象が広がっていることが最近のニュースで取り上げられていました。

昨秋の最低賃金の引き上げで、逆転している地域は12から9に減ったものの、最近では11都道府県に増えています。

すでに平成24年度の最低賃金の目安は、厚労省の審議会で全国平均7円の引き上げを決めており、生活保護の水準を下回っている地域については、高めの引き上げ額を示しています。


最低賃金とは

最低賃金とは企業が労働者に支払う国の定めた時給の下限です。

正社員だけでなくパートやアルバイトにも適用されます。

厚労省の中央最低賃金審議会が景気や雇用等の指標を基に毎年夏に引き上げ額の目安を提示します。

これを基に地方審議会が、具体的な金額を決め毎年10月に改定されます。

最低賃金の平均額は、平成19年から4年連続で10円以上引き上げられて、23年度は、大震災の影響で5年ぶりに1ケタの7円に留まりました。

24年度も経済情勢の厳しさを理由に、前年と同水準に留まっています。


最低賃金を上げるより就労支援が必要

昨年度の最低賃金の全国平均は737円です。

生活保護の水準が最低賃金を上回る都道府県は以前からありましたが、昨年の9つに比べると今年は11の都道府県で逆転しています。

このことは「働く意欲の低下を招きかねない」として審議会の労働組合側は、最低賃金の引き上げを求めましたが、経営者側は経営への影響が大きいとして反発しています。

無理な賃上げは企業収益を圧迫し、採用減を招きかねません。

しかし、働くより生活保護受給が生活の余裕があるというのは制度間のひずみでしょう。

生活保護受給者の就労促進こそ必要であると考えると、雇用の受け皿となる市場も育てなければならないでしょうし、自治体の支援体制の増強も必要でしょう。