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離婚について(その6)   

今回は離婚に際して当事者間で決めておく事項のうち③子の面会交流について解説します。

面会交流とは、離婚後又は別居中に子どもを養育・監護していない方の親が子どもと面会等を行うことをいいます。

面会交流には、月に1回程度一方の親と面会するような直接的な面会交流もあれば、写真や手紙をやり取りするような間接的な面会交流もあります。

従来は「面接交渉」と呼ばれることもあったのですが、平成24年4月に民法766条が改正され、協議離婚の際に協議する事項の具体例として「父又は母と子との面会及びその他の交流」が明記されたことから、「面会交流」と呼ぶのが一般的になりました。

当事者間の協議で決まれば良いのですが、親権を有する親が一方の親と子を会わせたくないと考えることが多いことから、協議で決めるのは困難だという実情があります。

そのような場合には、家庭裁判所における家事調停や家事審判で決定することになります。

家庭裁判所では「子の福祉のために」有益か否かの観点から、子の意思、子の年齢、親子関係、親の生活状況などを考慮して判断がなされます。

子が15歳以上の場合には子の意思が重要視されます。

子が15歳未満の場合でも、家庭裁判所の調査官が子と面接して子の意思を確認し、「子の福祉のための」の判断要素とすることが多いです。

幼い子の場合には親の影響を受けやすいです。

親権者が一方の親の悪口を一方的に吹き込んでいるような場合に、子の意思を的確に判断するのは困難が伴います。

面会交流について不安がある場合には、家庭裁判所内で試行することもあります。また、第三者立会で面会交流を認めるという内容に決めることもあります。

親の事情で子が一方の親と会えない状況が生じるのですから、子は被害者とも言えます。

面会交流を決める際に大事な視点は、親のエゴではなく、子の権利として面会交流を考えることではないでしょうか。

調停や審判で決めた面会交流の約束が守られない場合には、裁判所による①履行勧告、②間接強制(履行しない場合には1日いくらと定める)の方法があります。

ただ、面会交流には双方の親の協力が必要になることから、間接強制の方法は面会交流には馴染まないと言えるでしょう。

面会交流の取決めをしてもその実施率は3割前後に留まっているようです。

この実施率の低さが面会交流の難しさを物語っていると思います。

次回は④財産分与について解説したいと思います。