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パナマ文書をどう見るべき   

パナマ文書と世界のTaxHaven

今年4月3日、マスコミで世界一斉に暴露されたパナマ文書は、タックスヘイブンの利用の一端を垣間見させてくれましたが、世界には60あまりのTaxHavenがあります。

分類すると、まず、スイスやリヒテンシュタインなど老舗のヨーロッパが挙げられます。

戦前はナチスドイツの金庫番の役割を果たしていました。次は、TaxHavenの大半を占めるシティが牛耳る旧英連邦王室属領地や植民地群です。

香港上海銀行HSBCも英国の銀行で、香港のTaxHaven機能を担っています。

その次は米国で、デラウェア州、ワイオミング州、ネバダ州、フロリダ州その他いくつもの州が国内TaxHavenとなっており、海外TaxHavenとしては直接的な勢力圏にある米領バージンやマーシャル諸島、リベリア、パナマ、etcです。


英米圏の海外TaxHavenの特徴

有名なケイマン、ジャージー島、バミューダなどパナマを含めTaxHaven専業のような地域は、吸引している資金の量と無関係に貧しいままで、その果実はシティやウォール街に吸い取られています。

先進資本主義の最先端部分である多国籍企業の当然のプラニングとしてTaxHavenを利用して税源浸食や利益移転(BEPS)を図ることは必要不可欠なこととなっています。

多国籍企業の多くは、TaxHavenで大部分の利益が生じているような決算をしており、その低実効税率は目を見張るばかりです。

既存の指導的な各国家は、自国に係る租税回避以外には関心が薄く、他国での自国企業の租税回避が自国の雇用拡大などの経済貢献の面があると助長的ですらあったため、結果として巡りめぐって各国政府自身が税収を失い、「租税はただ愚直な者によって支払われる」ものとの認識が多国籍企業の中で助長されるに至っています。

パナマ文書との対峙の仕方

TaxHavenには、合法の租税回避資金のみならず、当然に大量の犯罪資金・賄賂資金が流れ込んでいるのですが、そういう資金の拠出者を槍玉に挙げるに止まらず、そういうシステムを作って、巨額に潤っている元凶をこそ退治すべきです。

今年も、BEPSプロジェクトの勧告を踏まえ、移転価格税制の各国共通の様式化、全体像の提供義務付けの整備を創設していますが、本丸を目指さない小さな一歩を進めているような状況です。