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スキャナ保存制度の改正   

税務署長の承認を受けた場合には、領収書等について、一定の手続に従ってスキャナ保存をすることが認められています。

平成27年度の税制改正によって要件が緩和されましたが、平成28年度の税制改正において、スマートフォンでの読み取りが可能になり、また、小規模企業者の手続要件の特例が措置されています。

① 「原稿台と一体型に限る」という要件を廃止

これまで、領収書等の読み取りを行うスキャナについては、「原稿台と一体型に限る」という要件がありましたが、この要件が廃止されました。

「スキャナ」とは、原稿をデジタル画像にデータ変換する入力装置を指し、この要件の廃止によって、デジタルカメラやスマートフォン等の機器も含まれることになりました。


② 受領者等が読み取る場合の要件

領収書等について、その受領者や作成者が読み取る場合、受領等後、その者が署名の上、3日以内にタイムスタンプを付すことが要件とされました。

また、この場合で、読み取る国税関係書類の大きさがA4以下であるときは、大きさに関する情報の保存が不要とされました。


③ 小規模企業者の特例

保存義務者は、適正事務処理要件(①相互けんせい、②定期的なチェック、③再発防止策)に関して、社内規定等を整備し、これらに基づいた事務処理を行う必要がありますが、小規模企業者に該当する場合、②の「定期的なチェック」を税理士等の税務代理人が行うときは、①の「相互けんせい」の要件については不要となります。

決算に当たり、各書類について税務代理人が全件チェックしているような場合には、これとは別に定期的な検査を行う必要はありません。

なお、小規模企業者の特例における税務代理人による定期的検査については、必ずしも全ての書類について検査を行う必要はなく、その一部を抽出して行う検査(いわゆる抜き取り検査)も認められています。


平成28年税制改正後の要件でのスキャナ保存を行うには、既にスキャナ保存の承認を受けている場合でも、平成28年9月30日以後に、改めて承認申請書を提出する必要があります。

承認申請書は、改正後のスキャナ保存に代える日の3か月前の日までに提出しなければなりませんので、スキャナ保存を行っている場合には、すぐに提出するようにしましょう。